週末の散策 カロー大滝 奥多摩
カロウ大滝
カロウ大滝

   
 日原鍾乳洞バス停、休日にはバスは東日原止まりになるので、私には縁のないバス停 は新緑に青色に塗装されたアーチの映える小川谷の袂にある.この橋の下を流れている深い谷 が小川谷で、ヨコスズ尾根とタワ尾根の間の水を集めている.日原鍾乳洞の上流では、岩に阻ま れ、小川谷大滝となり、右岸を走る林道に爆音がとどろいている.林道はかろう橋を渡る. ここで、左岸に流れ込んでくる大きな沢がカロウ谷である.山の書や登山用地図にはにはカロー谷 と紹介されているが、賀朗谷という書き方もあって地元ではカロウのようだ.この聞きなれなく、いわく ありげな名前は、岩のがれていることに由来する地名だという.
 この沢の源流部には30メートルもの高さを持つ大滝があることを知ったのは何年か前の ことで、さっそく様子を見に出かけていった.右岸に歩道があって、これ幸いとしばらく辿っ てみたが、大滝までつながっている保証もない道を入り込んでいく気力も途中で失い、結局降りてきてし まった.
 もう二年前のことになるが、天目山に登ったときには、七跳山に向かう尾根上で、板形尾根と書かれ た小さな表示を見つけた.ハンギョウ尾根は小川谷に突き出た尾根で、カロウ沢はこの尾根とヨコスズ尾根に挟まれた場所にあって、 この道は、前に登ってみた沢の脇の道あたりにつながっていそうに思えた.
 はっきりした踏跡だから、この道は地元では使われ続けているものであろう.途中で立ち消えになってしまう可能性は低い. 何らかのルートを辿り林道までつながっていることは確かである.  今回は、この道を下ってみるべく、出発した.東日原からヨコスズ尾根に登り一杯水小屋にいく. もう何回も利用しよく知り尽くした道順で気楽だ.この道はいつ歩いても気持ちよい.
 酉谷山の方向に 向かう道は沢の源頭部を巻いていく.これがカロウ沢である.天目山の登り口を過ぎると、すぐ小さなピークに達した.この先がハンギョウ尾根の分岐である.地形図では2つピークが続いているところで、 ゆるい下りになって鞍部におりると、右手に次のピークがあり、それをよけてまっすぐ進む歩道が左についている. ここから左手に踏跡が続いている.以前来た時、ここには、鉄の小さな道標があったように記憶しているのだが 私の記憶違いかあるいは撤去されてしまったのか、探しても見つからなかった.踏跡も確かであることだし、 ここであることに間違いない.
 下り始める.道を進むと、尾根の背に沿って敷設された作業用のモノレールに出くわす. これから何か工事をはじめるのかまだ真新しいものだ. レールの周囲は切り開かれ、下の方まで見通せる. 左がわに続く道を下っていくと、結局またレールに出た.さらに左手にはっきりしないが、踏跡が 続くので、これを辿る.この道も結局レールにもどってきた.ここからモノレールに沿って下ってし まうことにした.
 海抜が1300メートルのあたりまで一気に降りていくと、左手にもどるように降りていく道が見 つかった.大滝の予想される位置から考えて、そろそろ沢に下降する必要があるので、ここを入 ってみることにした.道は急なスイッチバックで植林中を下り始めた.下りすぎないか心配だった が、カロウ谷側に近づいていく感じだったから、さらに進んでみると、しっかりした道に突き当たった. ここでは、左手にカロウ谷があることは確かなので、左側に進むと少し登り、小さな沢をしっかりし た木橋で越えた.このすぐ先には屋根がかけられていて、作業道だがかなり利用されている感じだ. 次の沢を越えたところで、道は分かれる.ここも左手に進むとすぐ沢音が響いてくる.いよいよ、 本流に近づいてきたことを感じながら、道は悪くなったが、瀬音をたよりに沢に降りていくと沢床に 達した.すぐ上流に、今日わざわざでかけてきた目当てのカロウ大滝は落ちていた.30メートルほ どあるだろうか.源頭に近いことから、普段なら水量はあまり期待できないのだろうが、昨日雨が 降ったばかりで、今日は水量もまずまずであった.


執筆中 2003.10

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カロウ谷F3カロウ谷F2



訪問のために
<バス> 奥多摩駅から日原線、東日原下車.西東京バス運行.西東京バスの路線バスで時刻表を見れる.
<地形図> 武蔵日原(1/2.5万)
所要時間の目安
奥多摩駅 >>30分(バス)>> 東日原 >>20分>> 分岐(スイッチバック終わる) >>40分>>一杯水避難小屋 >>15分>> 板形尾根分岐 >>15分>> モノレール >>25分>> 分岐 >>15分>>作業小屋>>10分>>カロー大滝>>10分>>分岐 >>5分>>橋>>10分>>小屋跡>>25分>>かろう橋>>35分>>東日原バス停>>25分(バス)>>奥多摩駅




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