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北岳
北岳山荘南西にある北岳山荘を山頂より見おろす.
富士視界がよければ、富士は近い.山頂より.



 北岳を取り巻いて流れている野呂川、谷の北には夜叉神峠を越えた南アルプススーパー林道も通り、 南アルプス北部の山々のアプローチに欠かせない谷筋である.この野呂川、さらにさかのぼっていくと、流れは南に折れ、北岳の西南に始ま る左俣と三峰岳の北に始まる右俣の2つ源流に分かれる.この2つの源流が合流している場所が両俣で、両俣小屋がある.
 この両俣小屋は、北岳左俣コースの登山口であるほか、塩見岳から大井川源流部西岸の峰々をつなぎ、三峰岳から野呂川左岸を 仙丈岳まで辿れる仙塩尾根の縦走で中継地として使用することもできる.どちらも、多くの人を集めるようなコースではなく、小屋の利用者も 少なく静かな夜を過ごせる.
 小屋すぐ手前まで、野呂川林道が通っているのでアプローチは容易だ.広河原から南アルプス市市営北沢峠行きバスを利用し、途中の野 呂川出合バス停で下車、車道の緩い登り降りを2時間強歩くと両俣小屋に着く.
 小屋の左手にある、野呂川左俣を遡行し、左俣大滝から北岳山頂すぐ手前の稜線まで一気に登っていくのが左俣コースで、山頂までのコ ースタイムは4時間30分.コースタイム3時間20分の白根御池コースよりは余分に時間を必要とするが、急坂の登りを白根御池小屋まで前 日登っておくことに比べたら、こちらは林道を歩くだけで済み全体ではより容易かもしれない.前日泊で日帰りで北岳山頂行を計画する場合に はもっと選ばれてよいコースであると私は思う.また、こちらから登り、帰路を白根御池経由広河原に下るように設定すれば、同じコースを往 復することからも開放されるだろう.
 ただし、このコースの利用には注意も必要である.特にコース前半部が沢を辿っていることから、天候はより気にしなければならない.  渡渉点については赤ペンキによる指示もあり、夏季水量の少ないときであればそれほど困難ではない.しかし、増水に襲われる危険のある 雨中はもちろん、一端増水した後はしばらくの間水位が上昇したままになるというから、雨後何日間かは沢の状態をよく確認した上でないと 利用できない.
 登りであれば、渡渉困難に出くわしても引き返せばよいであろうが、下山に使うと稜線から急坂を下りきって、沢筋に出た後だ けに、判断が甘くなりかねない.下山路として使う場合には、この点特に留意すべきである.

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 このコースの範囲であれば、二万五千分の一地形図では、千丈ヶ岳、鳳凰山の2枚でカバーする.池山御池小屋経由 で登るのなら、夜叉神峠、間ノ岳、農鳥岳の縦走をもくろむのであれば、これに加えて、間ノ岳が必要になる.
link国土地理院地図閲覧サービス
北岳を、 linkYahoo地図情報でみる.
affiliate北岳・甲斐駒南アルプス 昭文社 2008年版
map
affiliateJマップ北岳・甲斐駒ヶ岳
 登山用地図で、私の愛用しているのは、「 ヤマケイ登山地図帳4 北岳・甲斐駒・仙丈−南アルプス北部」と、ゼンリンの「登山ハイキング7 北岳甲斐駒」の2種であるが入手できない.


Transportations
丸甲府駅から広河原
 (山梨j交通:甲府駅−夜叉神峠登山口−広河原線)
  link山梨交通
丸広河原から野呂川出会
 (南アルプス市営バス)
link南アルプスNET
phone


course
歩行時間は、山行で実際にかかった時間を記しました.休憩した時間は含まれていません.また交通機関の所要時間については、 それぞれの時刻表をもとに記載しています.

第一日
JR甲府駅
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2時間20分(山梨交通
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広河原
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20分(南アルプス市営バス)
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野呂川出会バス停
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120分
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両俣小屋

第二日

両俣小屋
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65分
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左俣大滝
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95分
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稜線に出る
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20分
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合流
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10分
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山頂
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20分
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肩の小屋
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15分
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小太郎山分岐
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45分
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白根御池小屋
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80分
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広河原山荘
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10分
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広河原バス停
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2時間
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甲府駅
huts
両俣小屋
丸両俣小屋、収容30名、1泊2食7,000円(1泊2食)
links
link南アルプス市
link南アルプスNET
link南アルプス市観光協会
link伊那市(南アルプス)
link肩ノ小屋
第一日
 甲斐駒ケ岳の登山路、仙水峠に発する北沢が、 野呂川本流に流れ込んでいるのが野呂川出合で、南アルプス林道がこの流れを北沢橋でわたるとバス停がある.満員の北沢峠行きのバスで、降りるのは私ひとりだけで あった.
 バス停の手前から、野呂川左岸につけられている野呂川林道が始まる.両俣小屋は海抜で2000メートル、ここから200メートル強登れば今日の行程は終わりとなる. 車を通す道路だけに勾配は緩やかであるが、野呂川に流れ込む沢に遭遇するたびに、下りぎみになっては登りなおすことが繰り返される.
 最初に現れるのは小仙丈沢、続いて大仙丈沢と、仙丈岳東面に発する2つの大きな沢を越える.橋すぐ横が滝となっているのは奥仙丈沢で、これを越えて野呂川の流れの ところまで戻ると、谷筋の先に甲斐駒の姿が見えていた.
 その先、対岸に見えてくる広い河原は、北岳肩の小屋に発し北西に流れ下ってくる前白根沢のものであろう.もう両俣小屋も近くなったように期待したが、ここから先、まだ意 外と長い林道歩きが残っていた.林道を離れる場所に出て、河原側へ下りていくと、平坦な河床を進む道になってまもなく小屋に着いた.
小仙丈沢
小仙丈沢.
大仙丈沢
大仙丈沢.
第二日
 
 小屋のすぐ上流で対岸に渡る.左俣に入ると、左俣大滝まで渡渉の続く沢の道である. 赤ペンキの印を見落とさないように渡渉を繰り返す.夏には、渡渉を必要としないほど水量が減るようであるが、台風後の今日は、いずれも膝に達するほどの深みがあった.初秋、早朝の沢は冷たい.できるだけ水に触れ ないように、最初の3つの渡渉点は石を飛んで切り抜けた.次の渡渉点は、川幅もあって適当な石も見当たらなかったから、靴を脱いでわたらざるをえない. わずかな時間だけど、沢水は感覚が麻痺しそうなくらい冷たく感じた. 左俣
渡渉を繰り返し、左俣を辿る.
 この先で、右岸から左岸を経て右岸と、連続する渡渉点が現れた後、右岸で小さな尾根を越える.再び2つの渡渉点を過ぎ、梯子を上ると 前に細い流れの滝が見えてきた. 左俣大滝
滝
左:正面にある滝.右:左俣大滝
 小屋を出発してから1時間ほど経過している.順調に進んでいれば、そろそろ大滝のはずだ.前方に見えてきた滝は水量が少なく、思い浮かべていた大滝との差にがっかりしながら、 近づいていくと、これは大滝ではなかった.肝心の大滝は左の岩の陰に隠れていたのである.ここから、尾根を這い上がる急坂が始まる.これから始まる長い登りに備え、まずは水を補 充し、大滝を見ながらゆっくり休息していくことにした.
 沢底から稜線まで這い登らなければならないから急勾配の登りが続く.40分ほど登り、対岸が見えてきたところで、まだ先は長いことから、休憩していくことにした.前の樹間に見えてい るのは中白峰から連なる、佐俣と右俣を分けている尾根のようだ.
 休息を終え、出発するとまもなく尾根の上に出て展望があった.まわりの木々はカンバに変わってきた.進むとカンバの背もいつしか低くなって、ハイマツ中の登りとなった. いよいよ稜線も近いようだ.展望が開け、中白峰の右手には塩見岳も見えるようになった.時計を見れば、さきほどの休憩から早くも35分が過ぎていた.展望もよいので、このあたりで 休息することにした.
 続く20分ほどの登りの後、稜線に出た.野呂川側の展望が開け、仙丈ケ岳も甲斐駒も見える.これから登っていく北岳の山頂もいよいよはっきりしてきた. ここから見える、北岳山頂は、南からみるあの威厳あるピークの姿はない.台形の上にそれらしき標識が立っているのがかろうじて見えていて、山頂と思われる場所が特定できるに過ぎ ない.
 20分ほど稜線を登ると、標識の立つ分岐に着いた.ここで肩の小屋から登ってくる登山道に合流した.山頂のすぐ手前にひとつピークがあり、それを越えると山頂に着いた. 国内第二位の高所、今日は第一位の富士の姿も見えていた.
中白峰
中白峰.尾根の背後には、三峰岳と仙塩尾根、その後ろには、塩見岳のピークが見えている.
甲斐駒
甲斐駒.
間ノ岳
中白峰の背後に隠れていた間ノ岳も見えている.
分岐
分岐
三角点
三角点.
山頂
山頂、海抜3193メートル.
略図
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