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天狗滝 2001/12 綾滝
天狗滝 綾滝
2001年12月再訪しました.それにともない両滝の写真を新しいものに入れかえました. これまで掲載されていた写真はこちらのページに 残してあります.また、大岳沢大滝まで歩いた関東ふれあいの道の記録はこちらにあります.



 秋川は檜原村役場もある本宿で、南北の2つの流れに分かれています.檜原街道もここで、それぞれの支流に沿った2つに分かれ ていきます.北側の流れ、北秋川を進むとすぐに払沢の滝入口のバス停です.払沢の滝はよく知られているので、探勝に訪れる人も多く、武蔵五日市駅からのバスも、このバス停までは多く運行されていま す.バス停の先、北秋川に立つと、北秋川の流れは深い谷の下に見えています.橋を渡り、檜原小学校前のバス停のあたりまでくると、前方山中に、白い一筋の流れが走って いるのが見えます.これから向かう千足沢の天狗滝がこれです.この滝の上流には綾滝もあって、気軽に2つの滝を訪れることができます.半日程度を潰したい休日には最適な選択といえるのではない でしょう.

2つの滝を訪れる
 今日は、払沢の滝止まりのバスに乗ることになったので、千足まで歩くことになった.北秋川橋からみおろす流れは昨日の雨でかなり増水し濁っている.前方の山腹に見えてくる 滝の流れは、この増水を反映していつもよりはっきりと見えている.千足沢の一つ手前の沢は茅倉橋という名の橋がわたる. 流音がずいぶんとにぎやかなので、のぞき込んでみれば、ここにも滝はおちていた.
 街道は、集落の中に入って千足のバス停の前に出た.東屋という雑貨店の先を右折し、正面に桧原神社があるコンクリートの車道に入る. 神社を通りすぎるとかなり急な車道が、谷沿いに建つ家々の間を登っていく.沢を渡たり右岸につけられた道は再び左岸にもどり、民家はなくなる. 標識には天狗滝に500mと書かれていて、もう道程の半分を歩いたことになる.
 林道は再び沢をまたぐ.前に来た時は、車道はこのあたりで終わっていたはずだが、少し先まで延びたようだ.正にその先で木を伐採する延長工事がなされていた. 今後この調子で工事が進んでいくと、天狗滝も林道から見なければならない時がくるのかもしれないなどと考えながら、工事現場の脇を歩く. 切り倒された木々の枝の上を歩いていくと、続く小径に出た.ここまでバス停を出てからちょうど30分が過ぎている.水嵩の増えた沢の踏み台になるような石は、水面下にかく れてしまっているがいくらかぬれるだけで渡れる.はっきりした道が現れ、綾滝からつづら岩に向かう歩道が分かれていく.
 天狗滝に向かい直進すると再び沢を渡り、天狗滝のすぐ下の滝の元に出た.滝を眺めていると、曇り空に日が出てきた.この滝の左側についた巻道を登れば、天狗滝に出る. 天狗滝は高さは15mぐらい、実際には上にここからは見えない段もある.それらと合わせて高さ30mぐらいの滝とみられる. ふたたび空は曇ってきているが、滝の周りは十分に明るいのは、そこだけ林がきれて窓を開けているからである.この窓を通して下の集落からもこの滝を見ることができたのだろう. 遠くから見えるといえば、この滝は払沢の滝の駐車場あたりからも見えている.
 滝を後にして、段の刻まれた急勾配の歩道を駆け登ると先ほど分岐していた綾滝に向かう径と合流する.枝沢と本流をわたり、沢の右岸に沿って歩道が続いて いる.天狗滝から0.6Km、約20分で、植林中にベンチのある休憩点に出た.すぐ脇に落下している滝が綾滝である.手前には、不動尊が祀られている.この沢は住む人々にとって大事な水源 なのだろう.15mぐらいの高さでほぼ垂直に近い角度で落下しているこの滝は天狗滝の無骨さに比べて、普段は薄く細い水の流れが繊細な感じを与えるものであるのだが、その水量も今日は十 分すぎるほどあって違和感がある.

つづら岩から馬頭刈山
 滝を見終わると、今日はそのまま帰ろうか迷った.馬頭刈山まで登ってから下山するつもりでここへ来たのだが、雨こそ降っていないが、林の中は霧がかかっていたから、どうせ山頂までいっても 眺望は期待できそうにない.しかし今日はまだ2kmほどしか歩いていないから、帰るにはまだ早すぎるし、馬頭刈山はわざわざ来て登るほどの山でもないから、結局は登ってしまうことにした.
 馬頭刈尾根は大岳山の下山に利用されているようだ.奥多摩駅から縦走してくるとかなり気合いをいれないと最後まで歩くのは厳しくなる.先週大岳山に登ったときは、ここより大岳山よりの白倉 で早々里に降りてしまった.よくてこの千足沢で下ることになるのであるから、ここから先はもし今日行かなければ今後も歩かなそうである.
 綾滝から先の歩道は急な登りになって沢から離れていく.そして、たちまち沢ははるか下の方で水音をたてている存在になってしまう. 植林の中に大木が混ざるようになるとそろそろ稜線にでそうな気がしてきた.
 つづら岩の下で縦走路に出たときには、滝を出てからもう40分ほどたっていた.午後1時になっているから弁当を食べていこうかと座りこんだが、もう少し先まで歩くことにした. ついでにつづら岩をみる.日ごろは岩登りのゲレンデとしてにぎわっているのだろう.いたるところにボルトが残っているが、台風あけだけに今日はだれもいなかった.
 そういえば、林道の工事場以来、今日はだれにもあっていない.払沢行きのバスでさえ駅からずっと私以外に乗客はなかった.今日は集落におりるまでだれにもあわないです むかもしれない.
 分岐では十里木までの6.5kmと書かれていた.この区間は、多少の上下はあるにしても、下りでだらだらと歩き続けるだけで困難はない.視界のない平地に出た.たぶん地形図上の 916mのピークであろう.その少し先に千足沢の方に突き出した岩があって展望がよい.ここで昼飯をたべていくことにした.今登ってきた千足沢を足元に、千足の集落あたりから道路 にそっていくと、先には払沢の滝入口あたりの建物が見えている.その西側上方にある小高い山が時坂峠のすぐ横にあるピークであろう.その奥は松生山から浅間嶺の尾根が延びている. 東側を見るとこれから向かう馬頭刈山とその手前の鶴脚山と思われる2つのピークが見え、その先には家並みが広がっている.
 径の脇にNTTの中継施設が建っていて、その先には、茅倉・千足バス停の分岐があった.916mの鶴脚山に登り、下りの階段を駆け降りていくと檜原、泉沢の分岐があった. その先には泉沢・和田向の分岐と、下り路は次々に現れる.続いて明るい広場の中に三角点の標石のある馬頭刈山の山頂にあっけなく出た.南側の展望はあるが、今日はっきり見え ているのは、秋川を挟んで向かい正面の臼杵山である.ここからはひたすら下り、見るものももうないから歩速をあげ、やがて駆け出す.高明神社に出たが、ここには礎石と小さな祠が残さ れているだけで社は崩されて放置されていた.
 前の鳥井を越えて再び走り始めると、水の混ざった粘土の路は、ちょっとの油断でもすべっていく.その上歩道を跨いだ倒木まで多いから、まったく気を抜けない下りだ. 里に近いこのあたりが、どうしてこれほどまでに荒れ果てているのか不思議に思える.
 砂利の車道に出たが、さらに歩道を降りていくと、再び林道に出た.ここから沢沿いに下っていくと、舗装道に出る.バス停への道標にしたがって急な歩道を下っていくと、 あきるの市立小宮小学校の脇に出る.その向かいの商店横が軍道のバス停であるのだが、貼られていた時刻表で、ちょうど出たばかりであることを知る.ここで、1時間ほど後に来るバス を待つこともないので、十里木まで歩くことにした.

1999年9月23日訪問.
天狗滝 綾滝 このときには、雨後で水量が多く両滝は、いつもとだいぶ異った姿を見せていた.
訪問のために

<地形図> 五日市(2万5千分の1)
<交通機関>JR五日市線武蔵五日市下車.駅前から西東京バスの藤倉行きか、払沢の滝入口行きに乗り、 払沢の滝入口か千足で下車する.
<所要時間の目安> 武蔵五日市駅 >>20分(バス)>> 払沢の滝入口 >>15分>> 千足集落 >>15分>> 林道終点 >>10分>> 天狗滝 >>20分>> 綾滝 >>30分>> 縦走道分岐 >>20分>> 展望の良い岩 >>15分>> 茅倉・千足分岐 >>5分>> 鶴脚山 >>5分>> 檜原・泉沢分岐 >>10分>> 馬頭刈山山頂 >>15分>> 高明神社跡 >>40分>> 林道 >>20分>> 舗装道 >>20分>> 軍道バス停 >>15分>> 十里木バス停

関連のあるページ
大岳山のページにも、帰路立ち寄った、この天狗滝の写真があります.


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