菰釣山

菰釣山、丹沢のもっとも西部の山域にあり、神奈川県と山梨県の境界に連なる主稜のピークである. このあたりの山は、主稜線上に東海自然歩道が通っていて、そのためルートはよく整備されている.道志側の入山口は海抜もそこそこ高いので 登りは容易であるが、こぶの登り降りばかり続き、これといった魅力のない山域とみなされているからか、登山者の姿は極端に少ない.  それに、日帰りで登れる手軽な山とはいえ、東京や神奈川から出かける場合アプローチの悪さがある.公共交通機関では、富士吉田駅が基点になるし、自家 用車でも山中湖を経由するか、道志を登っていく必要があり、早朝に登り始めるのは難しいから、山中ではやや急ぎ足になってしまう.
 丹沢主稜は菰釣山から先ピークの登り降りを繰り返しながら高度下げていき約5kmほど続いた後、山中湖東の切通峠あたりで終焉する.したがって、この山は、 富士山にも近い、最後の目立ったピークでもあるから、その展望を目的に登られることも多いようだ.展望を目的とするのであれば、空気のすんだ冬、または初春の 天気の良い日を選んで登るべきで、冬の山ともいえる.
 私は3月末、天気はやや気になるような日ではあったが思い切ってこの山に向かった.早朝の中央線、富士 急を乗り継ぎ、吉田駅からバスでアプローチする.バスは山中湖畔を半周し、平野より道志街道に入る.御正体山の登り口となっている山伏峠を越えて道志水系に入った.
 山伏峠は、丹沢の主稜と御正体山から南に降りてきた尾根がつながっている場所であり、ここから大棚の頭に登ることによって主稜に入ることもできる. 峠から菰釣山までは4kmほどあるから、さらに先の三ヶ瀬から入ることに決め手いた.峠から下って行くと、谷筋が少し広くなり、前方には鳥ノ胸山らしき山が見え てくる.中山でバスを下車、道志の森キャンプ場に向けて三ヶ沢に沿った車道を歩き始めると、西沢と東沢が分かれる場所についた.
 東沢を伝うと城ヶ尾を経て城ヶ尾山1199メートルに登ることができ、菰釣山まで稜線を辿っていくことになるが、登り勾配の道一時間ほど余分に歩かなければな らなくなる.最初の予定はこちらから行くことであったが、天気もよさそうでないので、今日は早めに切り上げたい考えもあって、西沢を辿っていくことにした. こちらは、西沢に沿った車道歩きが大部分である.歩道に入るとまもなく、ブナ沢の乗越に向けての登りとなった.実際あっけなく主稜に達してしまい、山に登るという 点では、つまらないコースといえる.それでも源頭部の最後はさすがに急で、やや緩んだ雪に足場の悪いのぼりとなった.
 稜線を伝うと非難小屋が建ち、菰釣山の登りになる.山頂は海抜1379メートルと結構高いのではあるが、他にこれといった特色のあるピークではなく、ベンチがあ るから腰掛けるしかない.期待の富士は、曇天のなかあきらめるしかないし、だんだん雲は厚くなっていく一方だ.雪が残っているだけにさすがに気温はまだ低いよう で、汗が引けば体も冷えてくる.早々歩きはじめることにした.ブナの丸、油沢の頭と登り降りが繰り返されて西に向かうと、歩道の雪もまばらになってきた.休憩つい でにカンジキをはずす.かけるように尾根を辿ると、本棚の頭に達した.ここから山伏峠にくだろうか迷うところだが、バスに乗るのは平野だから、車道を歩いていくこと もない.次の高指山まで尾根を辿ることにした.高指山は山頂部がカヤトの山で、ここの下りは歩きくたびれた体に心地よかった.今日の山行、目的の展望こそ楽しめ なかったものの、残雪の山を歩いた満足感を胸に帰路のバスを待つことになった.
登山口.
谷の源頭に登り詰める.私が訪れたのは、2003年、3月の終わりである.菰釣山周辺の稜線部はまだ雪を 残していた.
非難小屋
西丹沢域に点在する小さな非難小屋.
稜線
稜線
菰釣山山頂
菰釣山山頂.
御正体山 map御正体山


明神山(鉄砲木の頭) 1291m
富士 明神山からみた富士と南アルプス.明神山は、三国峠の北に位置する山中湖に面したカヤトの山でその展望の良さで知られている.東面は世附川の源にあり丹沢山塊の最西縁にもなるが、 丹沢の北西を貫く主稜も、この山の北にある切通峠あたりまでと考えられていて、三国山などとあわせて富士周辺の山のひとつとして紹介されるのが普通だ.緯度的には、丹沢湖や大倉あたり、さらに横浜と 同じで、横浜や丹沢南部から西に見える富士の姿は、ちゅうどこの写真と同じように、左に宝永火口の出っ張りをもつ幅広の姿になる.富士の眺望
map駿河小山
LINKS
道志村
山北町商工会
山北町
関連するページ
付近の山:大室山 御正体山 畦ヶ丸
丹沢の情報
affiliate
楽天トラベル
富士山・富士五湖・富士吉田の宿
相模湖・丹沢の宿
相模原・大和の宿


もどる 丹沢遊山の記 週末の散策 滝見遊山


Copyright (C) 2003-2006 Masashi Koizumi. All rights reserved.