大室山

ぶな
加入道山付近にたつブナの木.
 丹沢主稜は山塊の北西部、神奈川県と山梨県の境界に並ぶ山々であって、丹沢の北辺を取り巻く道志川の水域と西丹沢の酒匂川水系の分水稜でもある. これら主稜の山々は道志からアプローチすることになるが、公共交通機関は、富士急富士吉田からとなり、東京からの日帰りは難しい山域である.それゆえに訪問者も少なく、ブナも多く残された豊かな 自然と静かな山道の探索を楽しむことができ魅力もある.
 大室山、1588メートルは稜線の東にあってこのあたりの筆頭である.この高さは蛭ケ岳には及ばないものの、塔ノ岳はもちろん丹沢山よりも高い.南に深く入り込む道志川支流神ノ川の水域を迂回する ように、主稜はこのピークの西で南に方向を変え、檜洞丸、蛭ケ岳と続いていく.大室山は地形図の図面名にもなっているし、神ノ川をはさみ東の主脈側から見ると独立した高い峰として際立っているから、 その姿と名はよく知られた山である.
 この山は犬越路か白石峠を経ることによって、西丹沢からもアプローチすることもできる山だ.山頂は展望もなく地味な山ではあるが、いくらか人気があるようで、西丹沢自然教室から歩き出す 登山者の中にもこの山を目指すものもある.私は2004年9月12日この山に登った.早朝、自宅を出発し大月から富士急で富士吉田駅に向かう.富士吉田駅前のバスターミナルより道志行きのバスが 出ている.このバスは山中湖の南側を半周し東岸の平野から道志川沿いに走る国道413号に入る.御正体山の登口にもなっている山伏峠のトンネルを超えると道志川の川筋に入り下り坂となった. いくらか民家が多くなり、山あいの村の中を走るようになると和出村バス停に着く.バスを降り道志の湯に向かい車道を登っていく.道志の湯を過ぎると、白石峠、加入道山の登山道入口がある.道標に したがって登り始めると、植樹地をとおりすぎゆるい登りが続く.沢が詰まってくると、あずまやが建っている.この後やや急なのぼりが始まり、西に富士の姿も見えてくる.丹沢の魅力は富士を見ること にもあるであろうが、このあたりでは眼と鼻の先にあって天気さえよければ、存分に楽しめる.やがて登山道は稜線に合流した.
 稜線を東に辿り加入道山に登る.木段の登りで山頂.前々から奇妙な名称が気にかかっていた山だけれど、いざ登ってみれば、三角点がポツンとあるだけのさえない1ピークにすぎなかった. この先下りに入ると前方に大室山が見えはじめ、ピークに登ると大室山がはっきりみえている.この先まだ上下がある.畦ケ丸あたりであろうか、西丹沢側の視界がよい場所を通過し、さらに稜線を辿 れば犬超路の分岐に出た.大室山300mの表示で、ここから先ほとんど平らであった.
 大室山の山頂はやや広く空いているが眺望もなく、昼食をとって早速下山することにした.道志に下るのは、何より数のないバスの時刻のことが気にかかる.時間にとらわれないですむ西丹沢側の方 が安心だ.
 分岐にもどって犬超路へ下っていく.やや急な下りが続き犬超路につく.犬越路は、道志川水系と中川水系の乗越の峠路で小さな非難小屋が建っている.稜線としてみた場合、深い鞍部であ って、もし檜洞丸に登り直すとなれば、すでに大室山から結構下ってしまっているから、相当きついことだろう.さらにその先蛭ヶ岳までいくにはさらにもう一回登りなおさなければならない.
 西丹沢側へは用木沢に沿って下っていくことになる.笹の間を下っていくと沢に出て、ここをどんどん下っていく.東海自然歩道として整備されているだけに道標もうるさいほど多い. こんな山中になぜと思わせるような立派なアーチ橋が現れる.この橋を渡れば、まもなく白石沢沿いの車道に出れる.車道を南に進めば、まもなくバス停のある西丹沢自然教室についた.
登山口
登山口
吾妻屋
アズマヤ
富士 980m付近
鳥ノ胸山と富士の眺め.
大室山
白石峠から加入道山に登る.大室山方面の眺望.
加入道山 山頂
加入道山 山頂
山頂へ 山頂
山頂へ
山頂
犬越路
犬越路の手前から見える檜洞丸.
犬越路 非難小屋
犬越路 神ノ川から登ってきた東海自然歩道が西丹沢へ越えていく.
非難小屋 西丹沢や主稜に点在するものと同じ小さな小屋.
用木沢橋
用木沢公園橋
畦ヶ丸
西丹沢、畦ヶ丸側の眺望.1543mピーク手前の鞍部より.

大室山蛭
姫次よりみた大室山.左手に降りてくる稜線が犬越路の尾根.
蛭ケ岳から見た、主稜線(富士の手前の平らな稜線)で、高いピークが大室山. その左手のピークが檜洞丸で、両者の鞍部、富士の真下あたりが犬越路.
御前山より
奥多摩の御前山よりみた、大室山と檜洞丸.
参考タイム
バス停
15分
登山口
75分
稜線
15分
加入道山
15分
分岐
30分
犬越路分岐
5分
大室山山頂
45分
犬越路
45分
車道
20分
西丹沢自然教室
交通機関:バスダイヤの変更によって公共交通機関によってこのコースの出発点である道志の湯に東京からアプローチするのは難しくなった.このコースを日帰りすることは基本的に不可能と思われる. 現在(平成18年)の編成では、富士吉田駅を7:00発と16:45発の2便のみが道志までいくが、これらは土日祝日は運休.他の便は山中湖畔の平野行きで、大室山のアプローチには使用できない. また、都留駅より月夜野行きが2便あって、道志の湯にも止まるが、都留駅の出発が13:00と17:37であって日帰り目的では使えない上、こちらも土日祝日は運休となっている. 富士急山梨バス
神奈川中央交通、三ヶ木から朝(6:55(土日) 7:40(平日))昼(15:30(土日) 12:10(平日))の2本、月夜野行きが出ている. 三ヶ木行きはJR横浜線橋本駅北口より運行されているが、始発は6:20で乗り継げるか不明.終点月夜野から道志の湯まで歩くのはちょっと長く、 このコースに使用するのは難しい.神奈川中央交通
下山:西丹沢自然教室より富士急湘南バスが新松田駅行きを運行されていて、17時代まで時間1本程度.富士急湘南バス
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