「大菩薩峠は江戸を西に距る三十里」は中里介山作「大菩薩峠」の書き出し、
東京の西方に位置するこの峠、かつては武州多摩川筋から甲州笛吹川筋に抜ける峠路であった.脇街道とはいえ関東平野と甲府盆
地を結んでいた青梅街道は海抜1900メートルもあるこの峠を超える.西に流れ落ちた水は笛吹川に合わさり、甲府盆地で西か
ら流れてくる釜無川と合流して、駿河なる富士川となって駿河湾に注ぐ.
山梨県は、この富士川流域を主とするが、郡内と呼ばれる相模川流域の大月・吉田と多摩川最奥部の小菅・丹波は水系が異なっている.
小菅や丹波へは奥多摩駅からバスも運行されていて、東京に住むものにとって山梨の村であるのは意外な感じさえするが、すでに奥多摩
湖の湖面もその一部は県境を越えて食い込んでいるから、多摩川筋では東京と山梨の境はいつのまにか越えてしまう.しかしその先に
2000メートル近い大菩薩の山々が今でも人々の往来を阻んでいる.
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| 富士の眺望は大菩薩峠の魅力の一つであるだろう.笹で覆われ視界を遮る樹林のない峠からは360度の視界を楽しむことができ、天気さえよければ富士山も見えている.
上日川峠から登る歩道からは、峠に着くまでは富士のある方角の展望は望めないのだが、途中三界庵に立ち寄れば富士山と対座できる. |
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