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 屋久島の森というと、ヤクスギがすぐ思い浮かびますが、天然の杉はこの島では標高600メートル以上でないと自生していませんので、島中どこでも みられるわけではありません.また、屋久島でヤクスギというとき、それは樹齢千年を超える大木だけをいいます.生物ですから生き残って高齢になるのもそんなにおおくない でしょうし、江戸時代から本格的な伐採がされてきた歴史をもつだけに、残されている数は多くはないようです.
 ヤクスギの中でも特に高齢であったり、特徴のあるヤクスギには縄文杉のように固有名がつけられていますが、 それらの所在地は様々な場所に散っていて、それも歩道を延々とたどった先に立っているので、多くは見たくても見れるものではありません.
 そんな中、自然休養林として管理されている、このヤクスギランドと白谷雲水峡は、一般に開放され、散策道も整備されていますので、入口通じている林道と あわせて、だれでも容易にヤクスギの森を散策できる場所といえます.
 ヤクスギランドは、安房川支流の荒川に沿った標高1000mあたりの森林で、安房から荒川林道を使って行くことができます. 敷地内には30分から150分まで4つの歩道が整備されています.さすがに、縄文杉や大王杉のような奥地の著名木に比べてしまうと、その大きさも容姿も見 劣りするかもしれませんが、蛇紋杉、天柱杉、母子杉、三根杉と固有名のついている杉もあって、最長コースを歩けばこれらすべてを見ることができます.
 ヤクスギランドのあたりは、江戸時代に伐採された森の跡ということなので、今残されているヤクスギは、難点をもっていたために幸運にも材木にされず にすんだ経歴をもつ木々だということです.したがって、どの木も一癖あります.
 さらに、もうちょっと高齢のヤクスギをみたければ ヤクスギランドの前からさらに安房林道をさかのぼったところの林道脇には、紀元杉という巨木が立っ ています.車で行って記念写真を撮れるヤクスギはこれくらいのようで訪問者は多いといいます.その少し先の林道左上にも、より太い胸高周囲(8.9メートル) をもつ川上杉というヤクスギがあり、ヤクスギランドとこれらをあわせて見物するのがよいと思います.
紀元杉 紀元杉 3000歳   紀元杉はヤクスギランド内ではなく、安房林道をさらに 奥まで登った道路脇に立っています.木製の見学台がこの木を取り囲んでいて木の周りを一周できます.さまざまな植物の着生しているのが特徴で、見学台からさまざまな異なる葉をみることができます. 周囲8.1メートルで、樹齢は3000年と推定されていて、ヤクスギ著名木中でも高齢の方に入ります.
Jyamon Hahakosugi Tentyu   
蛇紋杉 2000歳.この杉の胸高周囲は8.3メートル、直径にすれば2メートル強しかなくあまり大樹に感じない.試し切りの跡があり、不良材とみなされ難を逃れた木. 母子杉 2600歳 胸高周囲は屋久杉ランド内で太いほうだし、推定されている樹齢も高い.母子の名称は、大小2本が寄り添っているからだ. 天柱杉 1500歳 樹高、33.8メートルで屋久杉としては異様に高い.ゆえにこのような名を得ることになったようだ.
Sannesugi Butta sugi 川上杉
三根杉 1100歳 胸高周囲では屋久杉ランド内で最も太いのであるが、樹齢は若いほうだ.名前に現れているように、根が複雑に曲がりくねって巨大化している. 仏陀杉 1800歳 ごつごつした外観で、内部は空洞化している. 川上杉 胸高周囲8.9mヤクスギランド内ではなく、安房林道の道路脇にあります.


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