Weekend walks title bohnoore 奥多摩
 この棒ノ折山は、 969メートルと1000メートルにあと一歩の低山である.手ごろな高さ、見晴らしのよい山頂に加え、奥多摩 入口に位置していてアプローチもよいから、弁当をもってのハイキングに出かけるには、手近な山といえるだろう. したがって、ほかの奥多摩域の低山同様、歩道も山頂も、行楽シーズンであれば騒がしく、私に山行をためら わせ続けてきた山でもある.
 この山は奥多摩入口の高水三山の北に位置し、埼玉県との県境部にあって、どちら側からでも登れる のであるが.ハイキングコースとしては、有馬ダムによってできた名栗湖から登るのが普通のようである.
 奥多摩側から登るには、川井駅よりバスで清東橋まで行き、百軒茶屋から入るルートがある. 三つめのルート、青梅の成木から黒山を経由する登路は、地形図にも歩道が記されていないし、この山に登る のには少し遠回りになって選ばれそうにない.そこで、私は、この成木の入口から、棒ノ折山に登ってみることに した.


上成木バス停へ
 静かな山歩きを求めて、青梅市の成木から県境線の引かれている尾根を歩くことにすると、その登り口となるのは、 青梅市の北部から入間川に抜けている都道53号、青梅秩父線の小沢峠である.そもそも、青梅から抜けるこのよ うな道のあることも知らなかったし、青梅市が埼玉県に接していることも知らなかったのである.  計画を立てみると、幸いにも峠の手前の上成木までは、便数こそ少ないがバスが運行している.それも都営バスである. 青梅市は東京都であるのだからおかしくはないのであるが、私には都営バスは、都心のバスといった印象が強かったから 、けっこう辺鄙なところでも走っていることを知って少し驚いた.通常、このバスは青梅駅発であるのだが、 8時23分発は、青梅線で2つ立川側の河辺駅の発であった.
 青梅特快を河辺駅で降りる.この駅に降りるのも初めてであるし、青梅線にはちょくちょく乗っているのに、駅名すら 憶えていない駅である.改札を出てバス停のある北口に降りる.住宅地の駅といった感じで、休日の今日、駅前は 閑散としている.2つあるバス乗場の左が都営バスのものであった.バス停に待つ人はまだだれもいなかった.発車時刻には、 少し早く着きすぎたこともあるが、結局乗客は少ないままであった.
 緑色の都バスが入ってきたが、行き先は塩船観音経由青梅行きであった.私が乗る小曽木経由上成木行きは、 その次に入ってきたバスであった.わずかな乗客を乗せて発車した.まず住宅地を抜けて走っていく.トンネルを越え、川沿い の道に出ると赤トタン屋根の民家が現れ、ここも奥多摩であることを感じさせた.住宅街はベッドタウンとして近年急激に出 きあがったのであろうが、その周辺はまだ多摩の生活が残っている.バスはいったん北小曽木まで入り、来た道を折返して戻 り、今度は成木川にそって登っていく.終点の上成木についた.
 ここは、高水山の登山口である.棒ノ折山に向かうのは私一人しかいない.地図を確かめ、小沢峠のトンネルに向 かって車道を歩いていく.トンネルのすぐ手前の右に建つ民家の前から歩道は始まっていた.

小沢峠から黒山
 まずは竹藪の中を峠に向かって登る.今日は風が強く、竹はなびいている.小沢峠までは十分もかからない. ここから、まっすぐ歩道をいけば峠を越えて小沢に下っていく.入間川と多摩川のそれぞれの川筋の人々が往来していた峠の跡だろう. ここの左手を登っていくのが、黒山に向かう登山道で、2つに分岐していたが、どちらでも同じ方向に進んでいくようだ. 私は木段の方を進むことにした.
 小高いピークに出た.ここからは成木川を見下ろせる.見渡す限りといっていいほど山々の大部分は植林であって色彩に乏しい. 谷筋など、ほんのわずか残された雑木林だけは、出始めた葉でとても鮮やかである.  植林中心の山の風景は平凡でつまらないものだが、春先であればそれでも少しだけ楽しめることを見つけた.
 出発すると、埼玉県との県境線の上を走る尾根上を進むことになる.時々吹く風は強く、植林された木々が大きくなびくと、音がたつ. ほぼ平坦な道が続いていくのであるが、ときどきピークにかけ登る急坂が現れる.2つ小さなピークを越したところで南側の展望が開けた. すぐ先に小高い植林された峰が現れ、急登を覚悟すると、歩道はこのピークを巻いてしまった. その次のピーク上には青梅市2級基準点の標石があった.すでに小沢峠から1時間ほどが過ぎていた.
 東西に連なる尾根もそろそろ終わりになるはずだ.もうひとつピークを越えると、ベンチがもうけられていたので、地図を出して休憩した. 尾根は南北方向に走るようになる.北の方に見えている形の良いピークがたぶん棒ノ折れ山であろう. まだだいぶ遠いし、時間はかかりそうである.
 ピークをおりていくと、二又になっていた.左の方が踏み後はしっかりしている.進むべき方角から考えれば、右のはずであるから右に進むこ とにした.この選択は正しかったようで、黒山0.6kmの標識が立っていた.
 木々はまだ葉の落ちたままで、天井はない.空を見ながら尾根を登っていく. 急な斜面を登りきったところが、黒山の山頂であった.小さな広場には周りにベンチも並んでいる.中心には3等三角点の標石がある. 雨沢山からくる尾根がここで合流している.

棒の折山頂へ
 黒山の先は急な下りとなった.鞍部まで一気におりていく感じである.下りきり、権次利(ゴンジリ)峠へは、急な登りに変わる.ゴンジリ峠は 鞍部ではなくてピークであった.黒山の先に連続する2つのピークの手前がゴンジリ峠で次が本命の棒ノ折山である.
 ゴンジリ峠に辿りつくと、集団のハイカーが目につくようになって、歩道は急に騒がしくなった.入間側の登山道が、ここで合流するからである. 立っている標識によれば、山頂までは、0.5kmと、もうわずかであるが、山頂まで、ずっと木段が続いていて気の遠くなりそうな登りが残っている.
   山頂は広く、それでも弁当を食べる人々で一杯であった.展望はよくて、日光の男体山あたりも見えるようであるが、残念ながら今日は曇り空、 見えているのはまわりの山々だけであった.東側には、所沢や新宿副都心も見えると表示があるが、こちらもまったく見えなかった.仮に晴天であっても 、春先に眺望を望むのは少し無理かもしれない. 空気の澄み切った冬に出直すのがよいのだろう.

植林の中を進む
時に現れる急坂
黒山へ
植林の中の道が終わると黒山
Kuroyama
黒山頂上
Ame
雨沢山から続く尾根
山頂へ
山頂に向かう長い階段
Sumiit From summit
棒ノ折山頂 副都心まで見えるという頂上、曇りの今日は視界なし
白谷沢を下る
岩茸石
Fijikake
藤懸ノ滝白孔雀ノ滝
滝のインデックス
白谷沢へ下る
 下山路として、山頂から奥多摩側の大丹波川、奥茶屋に下る道もあるが、私は入間側に下ることにした.まずゴンジリ峠に戻った. ゴンジリ峠から有間ダムへの下り初めは、東に向かいほぼ一直線に急坂が続く.10分で岩茸石についた. ここは十字路になっていて.岩の脇を直進すると、尾根を伝って有間ダムの下、河又橋に向かえるようだ.右は頂上からも見えていた湯基入 林道へ出てしまう.こちらをいけば、名栗川橋バス停まで3kmと近そうだし、 名栗温泉もあって下りの候補としては魅力がある.
 しかし、今日は最初から白谷沢に下ることに決めていたから、左に道を取った. こちらは登りによく使われているようであるのだが、沢沿いだけに傾斜は急だ. その分必要な時間は短くなる. 途中には、白岩、藤懸の滝もあって、これらにも立ち 寄っていきたいし、下りきった先には村営のさわらびの湯もある. 日の高い時間から一風呂あびて帰れるのは、低山の醍醐味というものだ.
 降りはじめれば、すぐに沢の原頭に出て、その下に林道が通っていた.この沢が白谷沢であって、 脇に歩道がつけられている.冬季や雨天時など利用しないように表示されているのは、歩道の一部 が完全に沢床を通ることになるからであって、この部分の凍結が危険だからのようだ. ここにはマムシに注意の看板まであった.
 下り始めると15分ほどで、もうこの谷の核心部に入り、白孔雀の滝が落ちている. 歩道の脇から覗き込めるようになっているが、もし下から見たいのであれば、沢を伝わなければならないの で少し難しそうだ.今日は、上から見降ろすだけで満足することにした.  次に現れる藤懸の滝も、歩道からはのぞき込めるだけである.少し下には踏跡があるのでここをたどれば、 滝の下に出ることもできた.2段に落ちる滝で高さはさほどない.
 この滝の下には、鹿の死骸が落ちていた.滝の上から足を滑らしちたのであろうか.あるいはもっと上 から水で流されてきたのかはわからない.死体は整ったままであるから、ここで死んだ感じがする.水を飲みに でもに降りてきたのだろうか.沢筋ではよく動物の死骸を目にする.
 藤懸の滝を後にすると、歩道は沢を離れ林中を下っていく.20分ほどで、ダム湖の脇の車道に出てしまった.有間ダムの上を越えて、対岸の車道 を下ると、さわらびの湯の広い駐車場が現れる.飯能行きのバス停もここにある.入浴施設は、駐車場の一番奥にある.休日とあって混んでいたけれど、 施設は快適だ.春の日差しの中で、沢音を聞きながら、山々を見上げて入浴できるのは本当に気持ち良いかぎりだ.  後は、襲い掛かる眠気と格闘しながらバスで入間川を下るだけだ.川沿いにくねくねと曲がる道路も終わり、飯能の市街に出た.

routes
bonoore
JR青梅線河辺駅 35分(バス)arrow 上成木バス停 10分arrow 登山道入口 10分arrow 小沢峠 60分arrow 標石のあるピーク 20分arrow ベンチ 25分arrow 黒山 20分arrow ゴンジリ峠 10分arrow 棒ノ折山 10分arrow ゴンジリ峠 10分arrow 岩茸石  10分arrow 林道 15分arrow 白孔雀の滝 40分arrow ダム湖 20分arrow さわらびの湯 35分(バス)arrow西部池袋線飯能駅

交通機関
 JR青梅線河辺駅下車.北口から発車する都営バス(梅76乙)にのり、上成木下車.同、梅76甲(上成木行)の場合には東青梅駅北口から乗車する.
maps 地図
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本
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 今回私の登った上成木のルートは載っていないが、白谷沢のコースについては紹介がある.
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