週末の散策 高水三山 奥多摩


登山口
高源寺橋脇には、三山登山道の入口がある.
 奥多摩入口部に位置する、700m代の高水山、岩茸石山、惣岳山の三つは、 JR青梅線軍畑駅に始まる、ひとつのコースで結ばれ、日帰りで歩くのにちょうどよい距離となります.  駅から歩き出せるというアプローチの良さから、休日の朝には、軍畑駅についた電車からは、リュックを背負って ぞろぞろと下車していく光景が、私のもつこの山の印象でした.
 ケーブルカーで登れる御岳を除けば、奥多摩で一番歩かれている山なのかもしれません.春秋のにぎやかな 行楽地であっても、冬季は人影まばらに静まりかえっています.年の瀬を迎えた休日、この平凡な低山三つ に登ってみることにしました.
 予想していたとおり、登ること自体にはこれといった魅力を感じさせるような山ではありませんでしたが、 予想外の収穫は、その気になって眺望を追いかけてみると、すぐ隣の川苔山や棒の折れ山をはじめとする 、奥多摩前衛部の山々を見ることができ、手軽に出かけられる奥多摩の展望台と位置づけることができそ うです.
高水山 高水山
高水山(岩茸石山から見る).背後には、関東平野の辺縁、青梅から狭山にかけての平野部が見えている.
 青梅線は、平溝川の谷を跨ぐ鉄橋を渡ると軍畑駅に着く.駅を東側に歩き、平溝川の谷筋に降り、榎峠を越えて小曽木に向かっている都道を進む.平溝橋まできたら、 左に分かれていく平溝通りに入る.一旦平溝川を横切り進むと、次の高源寺橋に歩道入口の指導標がある.表示にしたがって右側の道に入れば、橋の名になっていた高源寺はすぐ上にあって、 ここから急勾配の車道をしばらくの間進む.車道を終え、植林中の歩道に入り堰堤を越える.その先で沢を横切り支流の谷に沿って登山道は西に向かって登っていく.高水山から東南に延びる 尾根の上に出ると、この稜線に沿って北西に向かう.左に折れ、成木川側から上ってくる林道が下に見えるようになり、常福院の前に出る. 南側の頂に向けて登れば、そこが高水山の山頂である.軍畑駅を出発してから、ここに着くまで1時間ほどしかかかっていない. しかし、もう今日の登りの大方は終わってしまったことになり、もうあとは残す2つのピーク縦走して下るだけの行程しか残っていないのである.
 高水山の山頂は木々に囲まれ展望はなく、おまけに山頂にはアンテナが建っている.それでも、弁当を広げり人々でにぎわっているから不思議だ. この山頂の直前には、南側に展望が開けている場所があるのでせっかくならここで休むべきだろう.道脇に見晴らしの良い小さなスペースがあるのだが、不思議なことに立ち 止まる人はいない.
 だれもいない地面に私は腰を降ろし、南側の山々をじっくり眺めていくことにした.すぐ前には、これから向かう惣岳山があり、その背後に、多摩川を挟んで並ぶ、御岳山、 大岳山の姿が目に飛び込んでくる.その背後には、丹沢の山々の作る稜線は、逆光で壁のようにたっている.きょうは霞んでしまっているが、丹沢の山々を遠望してピークの 名前を知っていくコツは、この中からまず三峰を探しだすことだ.あとはそれとの位置関係によってピークを同定していくことになる.もっとも、私はもう見なれてしまったから、 今では探すまでもなく一目でわかるようになってしまったが、シルエットを東の端から追っていって、よく目立つ3つ並んだ三角形を探すのである.
 目を手前の稜線に引いてくると多摩川南岸の尾根を真横からみることになる.首都圏に住む人々の生活を支えているであろう送電線が、八王子側に向けて 、この尾根越えていて、鉄塔が一列に並んでいる.もし、電線と無関係な鉄塔を見つけることができれば、それは2つの中継所のアンテナのいずれかである. 左にあるのが梅ノ木峠、右にあるのが大塚山であって、その間に、日ノ出山、御岳山があることになる.
 日ノ出山は、半円形の容姿で、山頂には木々が並んでいて確認は容易だ.双眼鏡を使えば、山頂のあずまやも見えている.御岳山は、その背後の大岳山と の関係から見出すことができる.その姿からすぐに見い出すことのできる大岳山ののっぺらな山体の右には、ごつごつとした御前山も見えている.
 ここ高水山からの展望の範囲はこのくらいであろう.アンテナを囲む金網の立てられている高水山山頂はそのまま通り越し、次の岩岳石山に向かうことにする. 急な下りを降りたところに、北側を巻いてきた道が合流してくる.
高水山からの遠望
丹沢 御前山
日の出山
左上:日の出山、麻生山、背後には丹沢の山々.
左:日の出山.右後ろの山々は大岳山から続く馬頭刈尾根.
上:御前山.
岩茸石山 岩茸石山
 途中のピークを越えて下ると巻道が分岐していく.まっすぐ登れば岩茸石山で、左に行けば、山頂は巻いてしまい 惣岳山に向かうことになるのであるが、ここを巻いていく人はいないことだろう.岩茸石山は高水三山の主峰ともいえる存在感がある.急なのぼりを 息を整えながらさっさと登ってしまう.
 三角点の標石がある山頂に出る.標高は793メートル.南側に並んでいる木々は視界をさえぎっているのであるが、落葉しているから、今日はかろうじて眺望が得られた.
 それよりも、ここでは北から北西にかけての展望が優れているから、そちらに専念すべきであろう.すぐ北に位置している棒ノ折山と手前にある黒山が見えている.特に際 立った特徴がないので、東南の尾根の末端から順に稜線を追っていくと、初めてその山の位置が確認できる.
 この稜線は、小沢峠から成木川の北側に沿った尾根のものであって、以前棒ノ折山に登ったときにも歩いたものだ.そのときには、 反対に向かう側から今立っている、岩茸石山が見えていたのえあろうが、思い出そうにもはっきりした印象は残っていない.
 黒山の狭い山頂に合流していた道は、ここの北側直下にある名坂峠を過ぎて北西に縦走していくルートのもので、棒ノ折山まで行っても2時間ほどでいけるようだ.
 棒ノ折山の左側には、長沢背稜から続いてきた県境尾根の東端部にあたり、一直線に行く手をさえぎっていて、多摩川水系北の垣根を担っている.壁の南側に沿って 大丹波川は深く切り込んだ谷を形作る.その南西のピークは川苔山のものであることは一目瞭然で、さらに目を南に向けると、急激に高度を下げていった大ダワでは、 この窓越しに雲取山が見えている.その南にある台形の本仁田山はどの方角から見てもその容姿は変わり映えしなく、奥多摩ではみつけやすい山のひとつだ.
岩茸石山 山頂
三等三角点のある山頂.
棒ノ折れ山
棒ノ折山
川苔山
大丹波川を挟んだ先には川苔山.
雲取山
大ダワの先には雲取山.
惣岳山
惣岳山
惣岳山(高水山山頂手前より).背後に大岳山と御前山がみえている.
本仁田山 川苔山
本仁田山
川苔山

 本日の最終目的地、惣岳山は、山頂に青渭神社が建ちその周囲は社を取り巻く木々に覆われて、展望の 魅力に乏しい.岩茸石山山頂を出発する.山頂の西側から下りはじめると、このピークを巻いていた 植林内の巻き道と合わさって歩道は南に向かっている. 尾根の東側に出たあたりは、平溝川の谷は大きく伐採されていて、東北東には山頂にアンテナが立つ高水山の 山頂が見えてくる.さらに進むともう少し西側も見えるようになり、岩茸石山も見えるようになった.
 尾根の西側に出たところでは、多摩川の流れる谷の展望が開ける. 歩道から右手に分かれた道の先には展望台がありここに立つと、大丹波川をはさみ、本仁田山と川苔山の よくみえていた.惣岳山の山頂への急登を終え、四方を木々に囲まれた薄暗い山頂には、金網で厳重に囲 まれた青渭神社が建つ.山頂に建っているとはいえ、社のつくりは立派なものだった. しかし、金網越しとは哀れな限りだ.
沢井
沢井方面を見下ろす.

 御岳駅に向かい下る.ここは神社の参道でもあるから、しっかりした道が続く. 杉の大木の下に井戸があり、木の間には縄が張ってあった.小さな送電線の鉄塔を越えると、沢井方面の 分岐に出た.道標に書かれている距離では300mの差しかないので、すぐ前のピークを越す 急坂をのぼらずにすむ川井に降りようか迷ったが、予定していた通り、まっすぐ御岳側に向かうことにした.
 多摩川に沿う沢井あたりの家々が、前方に見えるあたりまでくると、川のせせらぎや車の行き来する音も聞こえてくる. 下っていくと慈恩寺の脇に出る.そのすぐ前の青梅線の踏み切りを渡れば青梅街道に出た.  ここを右折、すぐ先に御岳駅はある.

秋の高水三山

 私が訪れた時には、すでに紅葉はピークを過ぎ、山々のまだらは茶色にとなっていました. 
2002年11月撮影
高水山
高水山.
岩茸石山
岩茸石山.
惣岳山
惣岳山.


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軍畑駅 20分⇒高源寺(登山道入口) 10分⇒ 堰堤の上 25分⇒ 常福院 5分⇒ 高水山山頂 5分⇒ 巻道合流 5分⇒ 岩茸石山分岐 5分⇒ 岩茸石山山頂 10分⇒ 巻道合流 10分 ⇒ 見晴台 5分⇒  惣岳山 山頂 25分 ⇒ 沢井分岐 25分⇒ 御岳駅
他ルート:上成木から高水山に登るルート、大丹波川側から名坂峠を経由するルートが利用できるほか、棒ノ折山から黒山を経て縦走するコースもあり.
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trans
橋 平溝川を渡る、青梅線、奥沢橋梁
JR青梅線軍畑駅下車.この駅を起点に歩き始める.帰路はJR青梅線御岳駅.
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関連したページ

隣の、本仁田山と川苔山、はこちらににあります。
Okusawa
青梅線が平溝川を越える奥沢橋梁は、鋼脚(トレッスル)橋、数ある奥多摩エリアの橋の中でも特に変りもの.また国内でも数少ないめずらしい構造の橋とのことだ. この橋のポストカードイメージは、こちらのサイトで 配布することにした.ぜひ訪問を.

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