Weekend walks タイトル:川苔山 奥多摩

本ページは更新されません。 川苔山の包括的な登山案内はこちらのページにあります。

西川に沿って登っていく歩道脇に立つ大木. 木
本仁田山 川苔山からみた本仁田山.

 川苔山は奥多摩を代表する山といえるほど人気が高い.この山の西面を流れている川苔谷は、奥多摩一美しいといわれている百尋の滝も あって歩道を歩けば渓谷の探勝を楽しめる.川苔登山ルートはその探勝道が前半を占め、後半半分を登りに費やせば山頂に至る感じがして魅力がある.
 思い起こしてみれば、私が初めて奥多摩という場所に踏み入れたのも、この百尋の滝を訪れた時であったし、奥多摩の山に登り始めたのも この川苔山が最初であった.私の奥多摩散策の原点、奥多摩の山々の中でも特別の地位を占めている山なのである.
 この山の名、川苔は地形図やバス停の名称では川乗と書かれている.この名前の由来について詳しく調べていないが、かつては名産品ともなっ ていた川海苔、それの取れる谷に由来するという説は最もらしいものだ.当て字にしたのが後者であると考えられるし、地形図が初めて 作られたとき、地元で聞き取った山名の音を字におき、そして改められることなく今にいたったという、いかにもありそうないきさつを説明しているような 気さえする.
 もし海苔が由来であるなら、最初から名前があったのは沢の方になる.それが後に、その谷の奥にある山の名としても使われるようになった とすると、すでに他の呼び名もあったのではないだろうか.

 そう思うのは、この山が奥多摩の最前列に並ぶ山のひとつであり、南の大岳山と供に平野側からもよく目立つ存在であるからだ. そこにある谷で川苔の採れることなど知らずに、遠くから眺めていた人々によってつけられた名前があってもいいような気がするのだ. もちろん、それは地形図ができたり、登山の対象となるより前のことであるから、もう確認するのは難しいのかもしれない.
 実は、私が奥多摩の山々を遠望して楽しむようになったのも、つい最近のことだがこの山が火付け役であった. 関東平野の西端からは、ちょうどそれらしい方角に、どこが山頂かはっきりしない高い壁状のピークが見えていたからである. それとともに、どちらかというと少し離れて南にポツンと孤立した山影もその後より気になっていた.
 川苔山へは、奥多摩駅から直接登れるルートもあって、本仁田山というピークを越えていくことは知っていたのであるが、 遠望で現れる幅の広い堂々とした山体と、その本仁田山という名はしばらくの間結びつけられなかった.
 しかし、そのつもりで地形図と合わせれば、他にそれらしい候補があるわけでもないから、この山に違いないと思えるように なる.そして本仁田という名のピークは川苔山へ道筋の一点といったものでなく独立した一山として存在していた. そのことがわかったとき、その山の北、一端くぼんだ先にある複雑な形のピークが川苔山のものであることを改めて確信がもてる ようになった.
 眺めていればいつかは登ってみたくなるもので、この本仁田山も含めて川苔山に登ってみることにした.
 いざ出かけることに 決めた前日、4月になっていながら夜には雪が降った.奥多摩の春山、新雪を踏んでの登頂という、またずっと思い出に残るような 山行になった.
 今回のコースは川苔谷ではなく、南の鳩の巣からのものに決めていた.鳩ノ巣駅に降りると、さっそく雪の被さった車道を歩く. 乗ってきた電車を踏み切りでやりすごし、棚沢集落に向けて足を進める.急な車道を登りつめ、登山道に入ると、ここから、常に新雪に 足跡をつけながらの前進となった.今日はまだだれも登っていないようだ.春先の新雪、非日常的な出来事と思うと、目にする風景すべ てがよりいっそう印象深く感じる.
 周りの山は雪で一段と静まりかえっているようにさえ感じる.植林の中を進むと、時々枝に積もった新雪をザザッと音を成らせて 降らせてきて、その音が唯一耳に届く感じだ.歩道脇に立つ大きな木の下で腰を下ろした.豆科の木であろうか、細かい丸い葉のそれぞ れに雪がのっていた.
 鳥のさえずりが無音の谷中に響きわたっていった.西川の谷に落ちている斜面は白一色、しばらく冷たい空気と の緊張感に浸っていたい気分になったが、せっかくならずっと一番手を維持し続けたい気もしてくる.一休みし歩き始めることにした.
 大根山の神、日も昇ってきて周りの木々の枝はさかんに雪を落とすようになった.予定を変えて、そのまま本仁田山に向かおう かとも考えてみたが、予定どおり川苔山まで行くことに決め、右手の道を進む.
 峰集落跡へ向かう道を分け、入川に沿って進むと遠く から水音が聞こえてきた.植林が切れ、落葉した木の下に出ると雪嵩が増し、靴は勢いよく沈んでいった.
 大岩が現れ、このあたりから道はいよいよ登りに入った.ドボッと雪の落ちる音に驚かされながら雪を踏みしめて一歩々進むと、大 ダワの分岐に出た.大岳山が見えるようになり、本仁田山とそこに向かう尾根も見下ろせるようになってきた.
 舟井戸のコルには、大ダワから伝ってくる鋸尾根の登山道が合流している.まっすぐ曲谷ノ峰に向かう防火帯から、川苔山山頂に 向かう道が左手に分かれている.
 水場を越え、緩くなって滑る雪の乗った急坂を登っていくと見覚えのある緑トタンの小屋跡の前に出た. 解け始めた雪に足をとられながら、最後の登りを這いあがると山頂に達した.
西川 登山道は集落をはずれ、西川に沿って登っていく.時刻もまだ早く、昨日降った雪はそのままで白一面であった.
大根山の神
入川谷
大根山の神は木立の中に小さな祠が祭られている.瘤高山から直接本仁田山に向かうルートと、入川谷沿いに川乗山に登るコースがここから分岐している. 大根山の神を出発するとすぐに入川谷に沿うようになる.廃村峰集落への分岐を超え、谷全体を見渡せる場所に出た.
入川谷の歩道 大ダワ分岐
入川に流れ込む沢を巻く部分では石垣が積まれた歩道が現れた. 大ダワの分岐.舟井戸はここを直進する.
舟井戸のコル
舟井戸のコル
防火帯
曲ガ谷峰に向かう防火帯の道
小屋
東の肩に建つ小屋
最後の登り 東の肩
小屋から西に進むと最後の登りになる. 東の肩を見降ろす.
川苔山 三角点
山頂を現す標識.ここから蕎麦粒山など、北側の山々は木々越しにしか見えない. 三角点
View
展望 Kumotori Tenso Takanosu Temoku  川苔山が好まれる理由として、その展望のよさもあるのではないだろうか. 多摩川筋の主要なピークを、ここから見ることができる.
天祖山 石灰岩採石によって、北面が階段状に切り崩されている天祖山は、特定しやすい.
ここから左手、奥多摩駅から雲取山の方向につながる一連の山々が石尾根でその中で、ひときわ目立つピークが鷹ノ巣山である. 鷹ノ巣山
もし、それが見える場所に立っているのであれば、絶対見逃さないのが富士山だ.ここでは南西にある. 富士
三ツドッケ 北西には、天目山が見える.三ツドッケという奇妙な呼び名で知られているのであるが、ここに立つとその由来が一目でわかる. このピーク手前から南に向けて日原集落まで続くヨコスズ尾根には滝入の峰のピークが確認できるだろう. この尾根から東に辿った先には、蕎麦粒山の三角形のピークがある.この川苔山からは、ちょうど北になる.
本仁田山と御前山 山頂から南隣の本仁田山を望む.背後に見えているのは御前山
山頂からの展望
 天祖山 2002.11撮影
大ダワ. 鋸尾根を終え大ダワに下降する急な下りとなった. 大ダワ
頂上 北面は木に囲まれて視界はよくないが、まだ葉がないから木々の間からは川乗山が見えている.
安寺沢 大休場尾根の急坂を終え、安寺沢に出た.この集落は海抜500メートルほどの高所にある.車道を歩き駅に着くにはここからまだ30分かかる.
奥多摩工業の工場 日原川
対岸には奥多摩工業の工場が稼動していた.
日原川.愛宕山のピークが、氷川橋の後ろに見える.

鳩ノ巣駅 maps
地形図    武蔵日原、奥多摩湖 (1/25000)
登山用地図 山と高原地図 奥多摩
         ヤマケイ登山地図帳・8 飛龍・雲取・鷹ノ巣
         登山ハイキング・16 奥多摩・大菩薩
Transportation
鳩ノ巣駅で下車し、帰路も奥多摩駅と、JR青梅線のみでアプローチできる.
routes
map
所要時間の目安
JR青梅線鳩ノ巣駅 10分⇒ 歩道入口 35分⇒ 大根山の神 60分⇒ 大ダワの分岐 35分⇒ 舟井戸のコル 15分⇒ 東の肩(小屋前) 10分⇒ 川苔山山頂 15分⇒ 舟井戸のコル 40分⇒ 大ダワ 20分⇒ 瘤高山 15分⇒ 本仁田山山頂 60分⇒ 安寺沢 25分⇒  JR青梅線奥多摩駅
別コース
川苔山:たぶん、最も人気の高いルートは、 途中、百尋の滝を訪問することもできる、川苔谷から登っていくものであろう.奥多摩駅発、日原線のバスを川乗橋で降り、林道に入る. 細倉橋まで、川沿いの林道を進み、ここから百尋の滝への散策道に入る.百尋の滝の直前で右手、火打石沢にそって登る登山道で標 高をみるみる稼ぐと、川苔山の肩に出る.
 もうひとつは、赤久名尾根による古里駅から登るものであって、以前私は下山に使ったことがあるが、植林を中心にした尾根を進むルートは あえて登る魅力には乏しそうだ.私同様、通常は下山に選ばれているようだ.
本仁田山:もしこの山だけ目的に登るのであれば、大根ノ山ノ神から瘤高山に登るコースが利用できる.
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