週末の散策 鳥屋戸尾根・笙ノ岩山から蕎麦粒山・仙元尾根 奥多摩


 浦山と日原、秩父と奥多摩それぞれの中でも特に山深いこの2つ里の間には、仙元峠越えて細道が続いていた。 かつてそこに住む人々は決して容易ではないこの道を行き来していたという。日原からヨコスズ尾根をつたい、一 杯水の避難小屋を経て県境尾根を東に向かう。仙元峠から北に延びる仙元尾根を辿り裏山大日堂に いたるルートである。
 登山道としてみた場合、このルートのうち東日原バス停から仙元峠までは蕎麦粒山に登るためのコースとしてよく 利用されているのだけれど、秩父側の仙元尾根は利用者も少なく荒れているという。このルートを使い一度秩父に越えてみたかったの だけれど、行程の長さと道の状態が不安であることから、そのままになっていた。  このコース中、ヨコスズ尾根の部分はよく歩いているから、まだ利用したことのない鳥屋戸尾根を合わせ て今回の山行を決めた。
 川乗橋に停車したバスから数人が降りた.林道の車止めを超え歩き始めると まもなく、笙ノ岩山の登り口に出た.ここが、蕎麦粒山から南に延びてきた尾根の末端部。この尾根上をつたうルートはあまり知られていなくて、 たぶん蕎麦粒山にもっとも近いはずであるのだが利用者は少ない.今日も私の後を追う人は皆無だった.バス 停を降りた人々の足音はすべて林道をそのまま進んでいった.植林中の急な登りを一気に駆けのぼり尾根上に 出る. 
 心配していた道筋は思ったよりはっきりしていて安心できた。最初は細い尾根上を辿っていくだけだ。急なのぼり、 道も悪くなっていく。いつのまにか道を踏み外したようで、川苔側の崖の上に出ていた。急斜面だけにわずか数メートル 這いあがるのは結構怖かった。
 分岐に出る。倉沢側の道は、木で塞いであるから誤ることはない右に進むと、スイッチバックの登り続いてピークに登る。 このピークから下りぎみに進むとブナの大木が現れる。このあたり川苔側は植林だ。
 歩道の左側に現れるピークが笙の岩山で上には三角点がある。木々に取り囲まれて特に見晴らしに優れているわけではない。 山頂を後に下り、再びのぼりに転ずると稜線右側は松ノ木になった。この先の見通しが良い場所では川苔山が向かいに見えた ので写真を撮りながら休憩することにした。
 出発し小さなピークを登り降りすると、1268mの松岩の頭についたことが木につけられた札からわかる。 紅葉のピークは先週ぐらいだったのだろうか。やや褐色化した紅葉の木々ぐらいが色彩を与えてくれる歩道を歩いて行くと、三つドッケが見えていることに気づいたので、 道を離れ、倉沢側に入り木々の枝の間から展望を楽しむことにした。 下りを進むと尾根が分かれ、どちらに行くべきか迷うが、左を進むことにした。小刻みに上下が続き少しわずらわしい。ついに前方に蕎麦粒山と 思われるピークが見えてくる。
紅葉
紅葉.

 まもなく、蕎麦粒山のピークを巻く道との十字路に出る。冬に蕎麦粒山に登った時には、富士の展望を楽しんだ場所であったから、振返ってみたが今日は空気は澄んでいなくボヤっとした 姿が望めた限りであった。ここから最後の登り、急坂を終えると岩の転がる蕎麦粒山の山頂に出る。
 蕎麦粒山の東側は日向沢の峰に向かい防火帯が切り開かれていて見晴らしが良い。狭山丘陵が台地の上に島のように浮かんでいる。 防火帯の急坂を息を切らせて登ってくる人もいる。  奥多摩域の山々の中では訪問者の少ない山であるけれど、それでも標石を取り囲んで何組か腰をおろしていた。
 これからの長丁場を考え、早めに食事を終え出発した。仙元峠側に下る道を降りていくとすぐに 峠の分岐に出た。仙元峠は、ここの鞍部ではなく右前のピークの上、笹をかきわけ登ると峠には祠がある。
 仙元尾根は、峠であるこのピークから北に3kmほど突出し、やや西に折れて浦山川の谷に落ちる。尾根の末端は 浦山川に細久俣谷が流れ込む川俣で、浦山大日堂がある。かつては秩父寒村中の寒村であったというが、当然のことながら 現在は車道も通じている。通学の足を確保するためだろうか、バスが運行されていて秩父に出るのは容易だ。
 「仙元尾根を経て川俣に至る」と書かれた標柱の指示とおり北に降りていく踏跡をたどるが、 すぐにやっと跡を追える程度の悪路になってしまった。急坂で、かつて荷を背負って往来したというのが信じがたいほどであるが、 街道であるわけでもなく、山間の行路ゆえにもともとこの程度の道だったのだろう。
 ぐんぐん標高をさげると、尾根の背を歩くようになって緩やかになった。途中大規模に崩落した跡があって、 車道の通る有馬山がよく見えていた。1167mのピークまで尾根の背を追っていくと、大きな楢の木がある。ここには道標もたっている。
 ここで、右手の植林中にくだっていくのが、ルートの続きであるが、ここから先ありふれた作業道で、これといった目印はない。始末の悪いことに 細い上、ところどころで交差し錯綜している。方角を頼りに進みやっと稜線にもどった。尾根の上には 通る送電線を支える大きな鉄塔が現れる。
 ここからは、監視道のためいくらか手が入っている感じだし、東電の設置した標柱があるので、ルートは はっきりしていた。尾根の末端が近づいてきた感じがすると、急なスイッチバックを下り、大日堂の裏に着いた。橋を渡り浦山大日堂バス停に向かう。
鳥屋戸尾根
曲谷北峰よりみた鳥屋戸尾根.手前の落葉をはじめた林は川苔山の北斜面。その奥横に走っている2枚の薄い尾根の手前側が今回歩いた鳥屋戸尾根. 奥側の方は三つドッケに続くヨコスズ尾根の中央部である.背後はタワ尾根(右)と天祖山(砕石場が見える山)。 さらにその後ろの一段高いピークが芋ノ木ドッケ.
ブナの木
歩道脇のブナの大木.
笙ノ岩山
笙ノ岩山.
川乗山
川乗山.
三つドッケ
三つドッケ.
松岩の頭
松岩の頭.
分岐
蕎麦粒山巻き道.
蕎麦粒山
蕎麦粒山.
防火帯
日向沢ノ峰に続く防火帯.
course
奥多摩駅 12分(バス)⇒川乗橋バス停 3分⇒入口 6分⇒稜線に出る 45分⇒分岐 26分⇒ピーク 15分⇒笙の岩山 15分⇒ピーク 10分⇒松岩ノ頭 40分⇒蕎麦粒山直下の分岐 10分⇒蕎麦粒山山頂  5分⇒巻き道に合流 5分⇒仙元峠 27分⇒大楢 28分⇒送電線鉄塔 40分⇒大日堂 5分⇒浦山大日堂バス停 25分⇒西武秩父駅前
 このコースは、登山道として整備されているものではないので利用は慎重に。 踏み跡は続いているので道を失うことは少ないが、分岐や踏み跡が薄くなったときには地形図を確認しながら進む必要がある。 季節によっては笹薮などでさらに難しくなるかも知れない。仙元峠では、浦山にむけて立派な標柱がたっているから、 そこから先歩道は整備されているかのように思わせるが、下り始めると踏み跡を探しながらの急坂になる。その先、ほぼ尾根上 を進み、楢の木のもとで稜線右手に入るが、ここも植林中の作業道にすぎない。送電線の下は東電の設置した監視道の標柱が立 ちルートは特定しやすくなる。秩父側のバスは便数も多くないので、予定はこの時刻に合わせて立てる必要があるだろう。
map maps
武蔵日原 (二万五千分の一地形図).




transportation
往路:JR青梅線奥多摩駅下車.西東京バス(東日原行)、川乗橋で下車する. 帰路:秩父市営バス「ぬくもり号」。 秩父鉄道バス浦山線に代わり、裏山大日堂から、秩父駅まで市営バスが 運行されている。浦山大日堂から乗車、西武秩父駅前下車.
西東京バス秩父市営バス「ぬくもり号」
web
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